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軽量化および冷却効率の向上を目的として、Na封入排気弁を製作した。Na封入排気弁の場合、従来の1.36kgから1.14kgになり、約16%の軽量化となった。(図93)
また、高温における耐摩耗性および耐食性の向上を目的として、排気弁のシート部にセラミヅク溶射を施工した排気弁を製作した。(図94)

 

b)320mm試験エンジン
同様の目的で、材質をTiに変更した吸気弁を製作した。
320mm試験エンジンの場合では、従来の1本当り3.2kgが1.8kgとなり、約42%の軽量化となった。
吸気弁をTi化した場合、耐摩耗性や耐焼付性が問題になる。
このため、シート部には耐摩耗性を向上させるためプラズマ粉体肉盛を、ステム部には耐焼付性を向上させるためMo溶射を行うとともに、軸端部には硬質チップ(SUJ材)を埋め込んだ。(図95、96)
軽量化および冷却効率の向上を目的として、Na封入排気弁を製。した。従来の2.93kgからNa封入排気弁で2.63kgになり、約10%の軽量化となった。
また、新素材としてより高温強度に優れるIncone1718およびWaspaloy製排気弁を製作した。
Ti製吸気弁および中実排気弁(従来タイプ)、Na封入排気弁(中空)についてFEM解析を実施した。
いずれの場合も応力レベルは許容範囲であり、問題ないことがわかった。(図97〜99)

 

3.14 給気冷却器

 

a)260mm試験エンジン
エンジンの出力を向上させるためには、シリンダ内へ導入される空気を冷却し、密度を増して給気の充填効率を向上させる必要がある。
このため、過給機により圧縮され、高温、高圧になった空気を給気冷却器を通過させることにより冷却する。
高出力化に伴い冷却すべき熱量は増加するが、冷却フィンの材質を従来のAlからSUSに変更し肉厚を薄くするなどして、単位面積当たりの冷却効率を向上させた。

 

 

 

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